雪国山菜図鑑|雪国観光圏に自生する山菜の種類や時期、食べ方をご紹介!

作成: 日時: 2014年4月8日
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山菜のことって、知っているようで実は結構あいまいだったりしませんか?呼び名もいろいろあったり、見た目が似たようなものもあるし。というわけで、雪国観光圏の3県7市町村(※)に自生する山菜の中からポピュラーなものをピックアップして名前や時期、食べ方をまとめた雪国山菜図鑑ですよ。
※新潟県魚沼市、南魚沼市、湯沢町、十日町市、津南町、群馬県みなかみ町、長野県栄村

[監修/説明文/写真:新潟県森林研究所 松本則行氏]

 

木の芽

正式名称:ミツバアケビ (別名:アケビ)

木の芽(ミツバアケビ)

木の芽(ミツバアケビ)

山地や里山の林縁や道端の日当たりのよいところに自生する雌雄同株の落葉性のツル性木本。4~6月に若芽を採取して、卵とじやひたしを巣ごもりなどにし、9~10月に果実を採取し、皮を炒めもの、揚げものなどにする。甘い実は生食できる。木の芽と言えば、関東ではサンショウの若葉のことであるが、新潟ではミツバアケビの新芽のことである

木の芽(ミツバアケビ)収穫

木の芽(ミツバアケビ)収穫

料理法:若芽は新芽の巣ごもりや卵とじ、果実は皮の肉詰めや皮のひき肉炒めなど

 

アカミズ

正式名称:ウワバミソウ イラクサ科

山地や里山の林床や沢沿いなどの湿ったところに群生する雌雄異株の多年草。秋に葉の付け根の茎がふくらみ、むかごになる。和名の由来は、うわばみ(大蛇)の出そうな場所に生えるということと言われている。

5~9月は茎を採取し、9~10月はむかごを採取する。

料理法:新芽の頃は葉ごと味噌汁の具にしたり、茎は炒めもの、煮もの、和えもの、天ぷら、とろろなど。むかごは炒めもの、天ぷら、卵焼きなど。

 

フキ

正式名称:フキ キク科(別名ふうき、ふきんぼ)

ふきのとう

ふきのとう

山野の林床、林縁、道脇、平地の田畑の周辺、土手などの日当たりのよいところに自生する雌雄異株の多年草。ふきのとうはフキの蕾のこと。数少ない日本原産の野菜で、平安時代にはすでに栽培が始まっていた。また、薬草としては咳止めや痰切りなどに用いられた。

料理法:4~7月にふきのとうや葉柄を採取する。ふきのとうは天ぷらやフキ味噌に、葉柄を煮ものや炒めものにする。ふきのとうが高く伸びた花茎も採取して、炒めものや天ぷらにする。

 

たらの芽

正式名称:タラノキ ウコギ科

たらの芽

たらの芽

山野や道端などのやや乾燥した土壌で日当たりのよいところに自生する落葉低木。大きな刺がある。野ウサギもたらの芽が好きで、冬に雪の上に出ている芽が食べられてしまうこともある。薬用として、根皮を胃腸病や腎臓病などに用いる。

料理法:4~5月に新芽を採取して天ぷらやひたし、和えもの、炒めものにするが、大きくなっても次々に新葉が展開するので、その新葉を採取して、天ぷらや炒めものにする。

 

うど

正式名称:ウド ウコギ科

山地や山すそなどの日当たりの良い斜面や林縁に自生する多年草。葉は2回羽状複葉で互生する。大型のものは高さ3mを超える。なお、ヤマウドの方が栽培ウドに比べ味や香りが濃いのが普通である。薬草としては、頭痛やめまいなどに用いられる。

料理法:4~7月に若芽や大きくなった芽先部分、蕾を採取して、サラダや和えもの、炒めもの、天ぷら、つまなどにする。

 

うるい

正式名称:オオバギボウシ クサスギカズラ科(ユリ科)

うるい(オオバギボウシ)

うるい(オオバギボウシ)

山地の崖や急斜面、沢沿いなどの湿り気の多く日当たりの比較的良いところに自生する多年草。

料理法:5~7月に若芽や若葉、蕾を採取し、ひたしや和えもの、味噌汁の具、天ぷらなどにする。5~6月に葉柄部分を採取し、かんぴょう同様の料理をする。

 

こごみ

正式名称:クサソテツ イワデンダ科(メシダ科)(別名 こごめ)

こごみ(クサソテツ)

こごみ(クサソテツ)

山地の林床、沢沿い、河川敷などのやや湿ったところに群生する多年生のシダ植物。木質の根茎から若草色の葉が行儀良く向かい合って輪状に株立ちする。増殖は容易で、匍匐枝を出して増えていく。和名は、葉が開くと樹木のソテツに似ていることから付けられた。ちなみに、「こごめ」や「こごみ」は若芽の時の形が、人が屈む(かがむ)姿に似ていることから付けられたもので、屈むは「こごむ」とも言うので、それが変化して「こごめ」になったと言われている。

料理法:4~6月、緑の葉の先端が巻いている時期に若芽を採取して、おひたしや和えもの、炒めもの、細かく刻んでパスタなどのトッピングにする。

 

コシアブラ

正式名称:コシアブラ ウコギ科

山地や原野、丘陵などに自生する落葉高木。小葉5枚からなる掌状複葉で、樹皮がすべすべしている。和名の由来は、この木の樹液を漉して金漆(ごんぜつ)という塗料を作り、刀や兜などに塗ったことから言われている。

料理法:収穫は4~6月の若芽の頃で、天ぷらや和えもの、ひたしなどにする。

 

ワラビ

正式名称:ワラビ コバノイシカグマ科(別名 わらびな、さわらび)

ワラビ

ワラビ

日当たりの良い原野、林縁、若い造林地の林床などに群生する夏緑性の多年生シダ。根出葉は、2~3回羽状複葉で高さ2m、栽培すると3mを超える。発ガン成分のプタキロサイドが含有され、生で食べることは危険であるが、通常のあく抜きを行えば分解されてしまうため、全く問題なく食べられる。

料理法:4~8月に若芽を採取し、あく抜きしてからひたしや和えもの、味噌汁の具、煮ものなどにする。ぬめりや歯ごたえが魅力ではあるが、ぬめりの少ないのを好む方もいる。保存は、塩蔵が一般的であるが、ゼンマイの様に茹でてから干す方法もある。

 

ゼンマイ

正式名称:ゼンマイ ゼンマイ科(別名 ぜんめ)

ゼンマイ

ゼンマイ

山地や山すその林床や沢沿い、崖などに自生する夏緑性の多年生シダ。春に出る根出葉は栄養葉と胞子葉の2種類あり、展開前の栄養葉は円形で厚みは薄く、胞子葉は球状となっている。山の方たちは、栄養葉を「女ぜんまい」、胞子葉を「男ぜんまい」と呼び、女ぜんまいだけを収穫する。胞子葉の葉柄は硬いと言われているだけでなく、胞子葉を残すことで増殖を図るという理由もある。

ゼンマイ干し作業

ゼンマイ干し作業

料理法:4~6月に展開前の新芽を採取して、茹でた後もみながら干して、それを戻して煮ものや炒めもの、味噌汁の具などにする。また、採取したものを重曹などであく抜きして、ひたしや和えものなどにもできる。保存は干すだけでなく、ワラビなどと同様に塩蔵もできる。

 

やまごぼう

正式名称:オヤマボクチ(別名 やまごぼう、ごぼっぱ、うらじろ)

やまごぼう(オヤマボクチ)

やまごぼう(オヤマボクチ)

料理法:新葉は、天ぷらや草餅の原料として。最近は、ソバのつなぎとして注目されており、ソバの香りを引き立てるのには最適のつなぎとまで言う人もいる。

 

あんにんご

正式名称:ウワミズザクラ バラ科(別名 あにんご)

丘陵地から山地にかけて普通に見ることができる落葉高木。樹高は10~20mで、胸高直径は60cmに達する。花は4~5月、葉が展開してから咲く。花は小さく白色で、実は球形で直径5~8mm。

料理法:春には蕾や花を採取して、ひたし、和えもの、天ぷらにするが、新潟では、4~5月に採取した蕾を塩漬けにして、「あんにんご(杏仁子、杏仁香)」と呼び、酒の肴、料理(鮎の塩焼きなど)の付け合わせ、お茶うけなどとして使う。また、採取した蕾を単に塩ゆでしたものを和えものなどにする使い方もある。また、塩抜きしたものを梅酢に漬け込んだり、醤油に漬け込んだ商品もある。

夏に実を採取して果実酒にする。クマリン、アミグダリン、サクラニン、アントシアンなどが含まれ、疲労回復、食欲増進、強壮などに効果があると言われている。

 

ひめたけ

正式名称:チシマザサ イネ科(別名 ねまがりたけ、たけのこ、やまたけのこ)

山地の日当たりの良い林床に大群落を作る常緑のササ。高さは2~3mになり、太いものほど上等である。雪に耐えるためか根元が弓状に曲がっていて、「ねまがりたけ」の別名がある。クマの生息するところに分布するので注意が必要である。

調理法:5~7月にたけのこを採取して、味噌汁の具や炒めもの、天ぷら、焼きものなどにする。モウソウチクのようなえぐ味がないことで、下処理なしですぐに料理できることや、特有の香り、歯ごたえ、うま味が魅力である。保存は瓶詰めや塩蔵とする。

 

[文/写真:松本則行]