Chill Out 雪国産原材料で作られるサスティナブルなアロマオイル

作成: 日時: 2021年7月2日
知りたい 行きたい 観たい

みなかみ町では森林資源を有効活用してアロマオイルを作っている夫婦がいます。この資源は放置されていたり、処分されてしまうようなもの。この地域資源を製品に変えて、住む人や訪れた人が利用して、また訪れるようなサスティナブルな観光地のために一役買っていただいています。

〈 杉は消臭効果や空気清浄の力にも 〉
杉は最初1時間香り続けるまでは集中力が高まり、1時間以上香ると脳内のアルファー波が増えるからリラックス効果が高まると言われています。
また、ハウスキーピングにも使えるとも言われています。油分を分解するリモネンを含む柑橘系が主流でしたが、最近杉とか樹木系の精油でホルムアルデヒドとか、有害物質を除去するような効果が期待できるのでないかということもあり、トイレなどの消臭効果や、空気清浄の力にも期待されています。

〈 材料は家の裏にある山から 〉
原材料のアブラチャンは家の裏手の山に林があって、手前にクロモジが生えています。
近所の方に事業の話をしたら、あの山にいっぱいアブラチャンがあるから聞いてあげるよとおっしゃっていただいて、持ち主に連絡してくれました。山に入って山が少しでも手入れされるならと許可をいただき、原材料を手に入れることが出来ました。

〈 地域のお役立ち作業でアロマ原料に 〉
所属している自伐型林業チーム「木木木林」では、山の手入れができなくなってしまった高齢の方から、整備の依頼が来ることがあります。伐採した枝葉はアロマの材料となるのです。
自伐型林業のいいところは動物と人間の境界線が出来ていくところで、結果的に両方住みやすくなると思っています。まさにユネスコエコパーク的な文脈とも合致するような考えです。人と獣の境界線ができることで農業被害が減り、経済効果を生んでいるということ自体が知られるようになると良いと思っています。

〈 香りもお土産に楽しんで欲しい 〉
人の記憶と香りが密接に結びつくことは一般的に知られており、プルースト効果と呼ばれています。その土地の香りをお土産に持ち帰ってもらいご自宅で香ってもらうことで、その土地を離れた後でも旅先での思い出を懐かしむという楽しみ方ができます。通常の旅が三次元的な楽しみだとすると、そこに香りをプラスすることで時間軸も加わった四次元的な旅の楽しみ方ができるのも香りの魅力かもしれません。

 

長壁(おさかべ)総一郎さんと早也花(さやか)さんは、関西出身で、2020年4月にみなかみ町に引っ越してきました。
夫婦ともに青年海外協力隊(現JICA海外協力隊)に参加していました。森の間伐材を原料にエッセンシャルオイルの製造業で起業したのは途上国での体験が元となっています。

Licca アロマ蒸留工房
〒379-1404 群馬県利根郡みなかみ町相俣196-5
https://www.licca-from-minakami.com/

 

聞き手 林 雄一朗
(雪国観光圏ブランドワーキンググループ)