食に触れる

作成: 日時: 2023年8月29日
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食に触れる ー魚沼市ー

 

 魚沼市は、新潟県中越地方の南東部に位置する。冬期は市街地でも最深積雪の平年値が2m、山間部では3mを超える雪が多い雪国観光圏の中でも有数の豪雪地帯である。また、福島県と群馬県の県境に接し、その一部は尾瀬国立公園および越後三山只見国定公園に指定されており、面積946.76㎢で新潟県の面積の約7.5%(県内4位)にあたり、その84.25%は森林であるように山地が市の大部分を占める。
 その山や雪とともに人々は暮らしを営んできた。昔から山で採れる山菜を食料として利活用してきた。家族で代々ぜんまい採りをしてきた中澤夕美子さんもそんな家庭に生まれた一人である。5月半ば、ぜんまい揉みをする中澤さんのお宅を訪問した。「このぜんまいは、ここから1時間以上も離れた山で採ったものです。黒俣第2ダムまで自家用車で行き、そこから山菜採りのための自分の船で池の反対側まで行き、そこから山に登って収穫しました」。ぜんまいは採った後、さっと茹でる。そのあと玄関先にゴザを引いて乾燥の為天日干しと繊維を切るため揉む作業を3日間ほどかけて何回も行う。昔はあちこちで見かけたのだが、今では重労働のためか行う姿はめっきり少なくなった。雪国の春の訪れを感じさせる光景である。
 「ぜんまいは春の時期に収穫して、こうやって乾燥して1年間保存食として煮物などに使います。今では家で食べる分と知り合いにあげるくらいですが、昔は20日間も山に籠ってたくさん採っていました」手間がかかる分ぜんまいは高価で、この辺の農家の人にとっては長い冬を過ごす保存食であると同時に、貴重な現金収入でもあったそうだ。
 現在魚沼市では、自然収穫はもちろんのこと、ビニールハウスで「タラの芽」や「うるい」を育て出荷している。時期には山菜採りの体験ツアーもあるとのことだから、自分で収穫した山菜を食べることも可能だ。
 「ぜんまいは揉み過ぎると柔らかくなって歯ごたえがなくなってしまいます。まだまだ、ばあちゃんの揉み方には敵いません」。ぜんまいを口に含んだ時、その柔らかさや歯ごたえに、それをもんだおばあさんの手の温かみを感じるかもしれない。

 

体 験 Experience


大原山菜園

守門岳の山麓に広がる広さ約13.5ヘクタールの土地では時間内採り放題でワラビを中心とした山菜採りが楽しめ、すべて持ち帰ることができる。開園日は5月下旬〜6月中旬(予定)までの日曜日と水曜日。

大白川生産森林組合
TEL.025-796-2705

 

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農産物直売所 うおぬま 百菜花ん

JA北魚沼農産物直売所。取れたての野菜や山菜の他に、年間を通してハウス栽培の農産物が毎日出品されている。ユリ、チューリップ、雪割草などの花や「魚沼産コシヒカリ」など。

新潟県魚沼市中原260-3
TEL.025-792-7066
https://life.ja-group.jp/farm/market/detail/?id=10&state=niigata

 

買 う Shopping


ものずき村 ・ そば処 げんたん

採れたて野菜、山菜、コシヒカリや雪割草の販売、時期に応じた商品を取り揃えている。そのばもオススメ。水曜定休。
◦ものずき村 8:00~16:00
◦そば処「げんたん」 11:00~13:00

新潟県魚沼市三渕沢40-1
TEL.025-799-4801
https://monozukimura.com/