つくるに触れる

作成：雪と旅日時： 2023年8月29日
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つくるに触れる　ー十日町市ー

　十日町市松之山は140種近くの野鳥が生息し、里山のシンボルであるサシバや絶滅危惧種のブッポウソウ、ミゾゴイなどの珍しい野鳥も見られる。十日町市に合併する前の旧松之山町のキャッチコピーは「野鳥と天然温泉の里」だったほど。また、松之山には1953年に設立された伝統ある野鳥愛護会があり、現在も毎月定例探鳥会を行っている。５月末のアカショウビンの季節の探鳥会には70名を超える野鳥ファンが集まり、鳥のさえずりに耳を傾けるという。
　野鳥の宝庫とも言われるこの地で昔から作られているのが「野鳥こけし」。地元で植木屋旅館を営んでいた植木常吉さんが、半年雪で覆われるお母さんたちの冬の内職になればと約１年かけて開発し、販売するようになったという。この地で野鳥こけし作りをしている福原なつきさんは語ります。「ちり紙を溶かし、型に流して『カラ』とよばれるボディを作ります。そこに木綿（脱脂綿）を染色したものを糊で貼っていきます。鳥によって使う綿の色や色数が違うんです」。普通は同じ工程を繰り返し作るため、数日かけて作るが、アカショウビン一羽のみ作るとなるとだいたい３時間ほど掛かるという。以前は集落ごとに婦人会によって講習会が開かれ、冬こたつに入りながら作ったというが、交通の便が良くなった分パートで働く人も多くなり後継者不足に悩んでいるという。
　松之山温泉街でお土産屋を営む十一屋商店に10年前に嫁いできた福原さん。「お店で売っているのを見かけ、ふと作ってみたくなった」のがきっかけで野鳥こけしづくりを始めたそうだ。福原さんが行っているのが観光協会主催のオンライン体験教室。「体験会は前からあったのですが、コロナ禍からオンライン製作体験が始まりました。月１回のペースで開催しており、料金は3,000円。申し込んでいただくと製作キットをお送りいたします。みなさん楽しそうに体験されていますよ」。
　「一羽として同じにはならないし、ゴールがないことが、面白さでもあり難しいところでもあります。作り手によって仕上がりや表情が違うので、『◯◯さんが作ったアカショウビンだね」と分かるんです。』という野鳥こけし。手に取ると作った地元の方の温かみまで伝わってきそうだ。

体験　Experience

オンライン野鳥こけし作り教室

野鳥の宝庫松之山の民芸品で、松之山温泉のお土産としても大人気の「野鳥こけし」。いつもは集まって行われる製作体験会を、オンラインミーティングアプリ「Zoom」で開催します。
参加方法は、①観光協会Webサイトのオンラインショップから「野鳥こけし工作キット」を購入
②工作キットと資料（Zoom URLなど）が届きます
③指定日にURLにアクセスしオンライン講習に参加
【開催日時】13：30～　2時間程度（開催日要確認）
【価　　格】 3,000円（税込・送料別）データ通信料は
　　　　　　参加者負担（Wi-Fi接続が好ましい）
【講　　師】福原なつきさん（十一屋商店）
十日町市観光協会
松代・松之山温泉
観光案内所
☎️025-597-3442
https://www.tokamachishikankou.jp/event/online_yachokokeshi/